【事例紹介】カラーミーからShopifyへ乗り換えてみた結果(レディースアパレルEC編)

カートシステムを変更すると、どのように数字が変わるか?これはEC事業者にとって非常に興味深い内容だと思います。

カートシステムベンダーが自ら紹介するリニューアル事例を参考にするのも良いですが、リニューアル前後の数値を比較してみた結果について できるだけリアルな数字でどうだったのか見てみたいと思います。

今回はカラーミーショップからShopifyに乗せ換えた事例を紹介したいと思います。

今回の前提

カラーミーショップは小規模EC事業者に多く利用されているポピュラーなカートシステムですが、今回以下の前提でShopifyへのリニューアルを行いました。

  • できるだけ費用をかけず、必要最低限の機能でリリースする
  • 商品登録は旧カートからShopifyへそのままデータ移行
  • 最低限のリダイレクトは実施する
  • リニューアル直後に販促キャンペーンは実施しない
  • ウェブ広告の運用もリニューアル前後で変化させない

上記の前提があったので、今回かなりプレーンにリニューアル前後比較ができると考えたわけです。

リニューアル前後 各種数値の変動

リニューアル前2週間とリニューアル後2週間で、各種数値の変動を見てみました。

1:訪問数

まず訪問数が多い順にチャネル別で比較すると、Organic Search経由は+26%・Social経由は-21%、Direct経由は+68%となり、リニューアル後によく見られるようなOrganic Searchセッションが大きく減るといったようなことは見られませんでした。

2:コンバージョン率(CVR)

次に、CVRを比較すると、全体CVRは22%減となりました。最も訪問数が多いOrganic Search経由ではCVRはほとんど変化しなかったものの、Directが-48%、Socialが-36%となり、大きく減った形となります。

3:ページ/セッションや離脱率

ページ/セッションを前後比較すると+49%となり、訪問ユーザーがより多くのページを遷移するようになっていました。また各ページの離脱率変化を見ると、TOPページは23%→31%、商品一覧が18%→10%、商品詳細が46%→37%となっています。これらの数値を踏まえ、ユーザーの動きを細かく見てみると、一覧や詳細で商品を探すものの、商品が見つからずTOPで離脱している動きが多く見られました。

4:カゴ落ち率

ユーザーがカートインボタンを押して商品カートに入れたのち、購入完了に至らずサイトから離脱することを「カゴ落ち」と言います。カゴ落ち人数をカートインしたユーザー数で割った数が、カゴ落ち率となります。リニューアル前(カラーミーショップ)のカゴ落ち率は54.1%、リニューアル後(Shopify)のカゴ落ち率は54.7%と、ほぼ変わらない結果となりました。

5:平均注文額

平均注文額はリニューアル前後で+9%となりました。

考察

カートシステムを変更すると、旧システムに慣れていた既存ユーザーは迷ってしまうため、多くの場合をCVRは落ちてしまう傾向があります。そのため、リニューアル時はキャンペーン実施等よって既存ユーザーをつなぎとめるようなアクションを取ったりしますが、今回は特に何も行いませんでした。

その結果、いつものようにサイトに訪問した既存ユーザーが、カートシステムの変更によって変化したUI(ユーザーインターフェイス)に「あれ?」となり、うまく商品が見つからずに離脱しているものと思われます。

リニューアル前後でカゴ落ち率は変化しておらず、リニューアル前と一部決済方法が変わったり、画面入力方法が変わったことを考慮すると、この数値は上出来と捉えてよいかもしれません。

そのため、まずはカートインまでの導線を変えていく必要がありそうです。

 

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